Mili - Peach Pit and Cyanide 歌詞 ( Lyrics)「和訳対照」

2025年11月25日にリリースされた「Peach Pit and Cyanide」は、リズムゲーム「osu!」のワールドカップ2025準決戦のために書き下ろされたテーマソングである。Miliはこれまでもゲームやアニメとのコラボレーションで独特の世界観を構築してきたが、今作もまた、その系譜に連なる力作と言える。公式な競技の場に提供されながら、彼女たちの芸術性を損なうことなく、むしろ「osu!」という舞台を借りて、よりダイナミックな音の物語を展開してみせた。

桃の核に潜む毒:歌詞が紡ぐ二面性

楽曲の核心は、そのタイトルにも象徴される「甘美と危険」の共存にある。桃の甘い果肉(=一見心地良いメロディーとリズム)を食べ尽くした先に待つのは、毒を含む硬い核(=歌詞の世界)だ。 "Bitter and Almondy" (苦くてアーモンドのような)というフレーズは、シアン化合物(cyanide)が持つとされるアーモンド臭を連想させ、聴覚的な甘さの裏に潜む危険を巧妙に暗示する。これは単なるラブソングではなく、依存性のある複雑で時に毒々しい感情の機微を、比喩を交えて描き出している。

対話する声と創られる言語

音楽的な特徴として、『Ga1ahad and Scientific Witchery』を彷彿とさせるデュエット形式が挙げられる。異なる性格を持つ二つの声が交錯し、時に響き合い、時に拮抗する。これにより、一つの楽曲の中で物語の緊張感とドラマティックな広がりが生み出されている。さらに、Miliの作品に慣れ親しんだファンなら見逃せないのが、曲中に散りばめられた架空言語「Milish」の使用である。意味を直接的に理解することを拒み、むしろ音楽の一要素として、聴く者を非現実のファンタジー世界へと没入させる役割を果たしている。

Mili宇宙の一片として

この楽曲は単体で完結した作品であると同時に、Miliが長年にわたって構築してきた「Mili宇宙」の新たな一片としても機能する。公式の歌詞ビデオに『Opium』で登場した少女の姿が確認できることは、彼女たちの作品世界が有機的につながっている可能性を示唆する。つまり、「Peach Pit and Cyanide」を聴く行為は、一つの楽曲を楽しむとともに、より大きな物語のパズルのピースを手にしたような体験なのである。

Mili - Peach Pit and Cyanide 歌詞 和訳対照

Bitter and almondy
苦くてアーモンドの香りがする

Darling, consume it all
ダーリン、全部飲み干せ

Flavour is love
味わいこそが愛だ

Mine is the most pungent
僕のは最も刺激的な味だ

 

Juicy and savoury
ジューシーで旨味豊かな

Filtering out the pulp
果肉を濾し取って

Pour me a cup
カップに注いで

Let's make it the end
これを最後にしよう

 

You peeled off
君は剥ぎ取った

Fuzzy skin
柔らかい外皮を

Carved out a piece
一片を切り取り

And fed your flesh to the mouths not mine
君の flesh(真心/肉体)を、僕以外の口に与えた

 

The sweetest smell
最も甘い香りが

Still lingers on the unwanted peach pit you left behind
君が捨て去った、不要な桃の種に今でも残っている

 

Talalalila
タララリラ(謡い声)

So I took a bite
だから僕は一口食べた

Tulululila
トゥルルリラ(謡い声)

Let it chip away and grind down
それによって削り取られ、砕け散れ

The future I fantasized
僕が空想していた未来を

 

Talalalila
タララリラ

The flavour’s kind of nice
この味はなんだか悪くない

Tulululila
トゥルルリラ

Darling let the cyanide become our spice
ダーリン、シアナイド(青酸)を僕たちのスパイスにしよう

 

Bitter and almondy
苦くてアーモンドの香りがする

Darling, consume it all
ダーリン、全部飲み干せ

Flavour is love
味わいこそが愛だ

Mine is the most pungent
僕のは最も刺激的な味だ

 

Juicy and savoury
ジューシーで旨味豊かな

Filtering out the pulp
果肉を濾し取って

Pour me a cup
カップに注いで

Let's make it the end
これを最後にしよう

 

Tatata…
タタタ…

 

I wonder when I stopped fighting against
いつから、僕は抵抗をやめたのだろう

This version of you
この姿の君に対して

Who's kind to everyone except for me
僕以外の全ての人に優しい君に

 

If we can't go back
もし元に戻れないなら

To where it all started
全てが始まった場所に

I'd rather enjoy my time
むしろこの時間を楽しもう

 

Talalalila
タララリラ

Seeing you by my side
君が側にいる姿を見て

Tulululila
トゥルルリラ

Feeling sorry as I cried
泣きながらも可哀想に感じて

Cause that's our vibe
だってこれが僕たちの雰囲気だから

 

Talalalila
タララリラ

So I took a bite
だから僕は一口食べた

Tulululila
トゥルルリラ

Let it sting and paralyze
それに刺され、麻痺しよう

My people-pleasing mind
人の気を遣う僕の心を

 

Talalalila
タララリラ

I too can define
僕も定義できる

Tulululila
トゥルルリラ

I too know what love tastes like
僕も愛の味を知ってる

Sweet cyanide
甘いシアナイド(青酸)

 

Lyx inniphae hon djullay allen
リクス・イニフェ・ホン・ジュレイ・アレン(造語:謡いの言葉)

Hassam in yhan
ハッサム・イン・イハン(造語)

Kuan toulesi que
クアン・トゥレシ・ケ(造語)

Aniya na lianna vehe sessue
アニヤ・ナ・リアンナ・ヴェヘ・セスゥエ(造語)

Hassam inagha
ハッサム・イナガ(造語)

Shalla eta estellija
シャラ・エタ・エステリージャ(造語)