楽曲紹介
INIが、2026年6月10日(水)にデビュー5周年を記念して新曲「Sand Castle」をデジタル配信リリースした。本作はINIにとって初となる全編英語歌詞による楽曲であり、エンポリオ・アルマーニの2026年春夏メンズコレクション「ORIGINS」とのコラボレーションソングとして制作された。作詞はDaoko、作曲・編曲はAiobahnが担当。自分自身の中にある既成概念や過去の自分を「砂の城」に例え、それを自ら壊すことで本当の自分を取り戻すという自己との対峙をテーマに描いている。5周年という節目に、INIが新たな表現の幅を見せる意欲作となっている。スペシャルクリップは6月15日(月)19:00にINI公式YouTubeチャンネルで公開された。

歌詞
【Intro】
Umm...<
うーん…
I've been figuring me out
自分自身を探し続けてきた
But I don't know what it is
でも、それが何なのか分からない
【Verse 1】
Time's are changing
時代は変わっていく
But the same old me
でも、いつもと同じ僕
Still gotta learn
まだ学ばなきゃいけない
Waiting n wishing
待って、願って
Doesn't always guarantee
それが必ず保証されるわけじゃない
A turn
転機を
Who's that looking in the mirror
鏡を覗いているのは誰だ?
Is there someone he should become?<
彼がなるべき誰かがいるのか?
【Pre-Chorus】
Told me I couldn't love you
君を愛してはいけないと言われた
Maybe it's time that I try to
もう試してみる時なのかもしれない
【Chorus】
Oh I'm talking to myself for
ああ、自分自身に話しかけている
Hours and hours
何時間も何時間も
Love myself reiterating
自分を愛することを繰り返し言い聞かせている
Louder and louder
もっと大きく、もっと大きく
Being myself
自分らしくいること
No imitating
誰も真似しない
Found who I am from a was
「過去の自分」から「今の自分」を見つけた
Serendipitous
思いがけない幸運のように
No one else is under my skin
僕の皮膚の下にいるのは他の誰でもない
I'm the one that built the wall
壁を築いたのは僕自身だ
And the one to break it down
そして壊すのも僕自身だ
Me myself and that's a lot
僕自身、それは大変なことだ
Maybe I'll grow up and remember
大人になって、思い出すかもしれない
All the pages of me
僕のすべてのページを
Calling out SOS
SOSを叫んでいる
Thinking there's no one else
他に誰もいないと思って
That's when I save myself
その時、僕は自分自身を救う
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle
砂の城
The way I had to build me up and break me down
自分を築き上げ、そして壊さなければならなかった方法
While the waves are crashing in but I don't ever drown
波が押し寄せてきても、僕は決して溺れない
And now I'm the only one
そして今、僕だけが
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle yeah
砂の城、そう
【Verse 2】
I know I can miss the me that had to make way (Way)
道を譲らなければならなかった僕を、懐かしむことができると知っている(道)
Looking at a future that I know I'm gonna change (Change)
変えていくと知っている未来を見ている(変化)
More that time goes on I'm learning how to like me (Ay)
時が経つにつれ、自分を好きになる方法を学んでいる(ねぇ)
And when I'm talking to the mirror do it kindly (Kindly)
そして鏡に向かって話す時、優しくやるんだ(優しく)
Time can heal all of your wounds but it don't mean that
時間はすべての傷を癒すことができる、でもそれは
It ain't gon leave you a scar
傷跡を残さないという意味じゃない
Carry that shit take it with you and
その傷を持ち、一緒に連れていって
Let it show you who you are
それが君が誰なのかを示してくれるように
What doesn't kill you makes you stronger
死なないものは君を強くする
But remember who would wonder (Wonder, what)
でも、誰が不思議に思ったか覚えておいて(不思議に、何を)
If you'd make it out at all
君が本当に乗り越えられるかどうか
【Chorus】
Calling out SOS
SOSを叫んでいる
Thinking there's no one else
他に誰もいないと思って
That's when I save myself
その時、僕は自分自身を救う
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle
砂の城
The way I had to build me up and break me down
自分を築き上げ、そして壊さなければならなかった方法
While the waves are crashing in but I don't ever drown
波が押し寄せてきても、僕は決して溺れない
And now I'm the only one
そして今、僕だけが
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle yeah
砂の城、そう
【Bridge】
I'll shine a light on who I tried to hide
隠そうとしていた自分に光を当てる
Give him the answers that I couldn't find
見つけられなかった答えを彼に与える
Now you're mine to rediscover
今、君は僕が再発見するものだ
Let you stand a little taller
もっと背筋を伸ばして立たせてあげる
(With me)
(僕と一緒に)
Feel like I'm winning when I'm looking behind
後ろを振り返る時、勝っている気がする
And I see who I was before, and
そして、以前の自分が見える、そして
All those times that I tried
試したすべての時を
【Chorus】
Calling out SOS
SOSを叫んでいる
(Anybody out there)
(誰かいないか)
Thinking there's no one else
他に誰もいないと思って
(Oh I keep on getting stronger)
(ああ、僕は強くなり続ける)
That's when I save myself
その時、僕は自分自身を救う
(Ain't the one that's going under)
(沈んでいく者じゃない)
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle
砂の城
The way I had to build me up and break me down
自分を築き上げ、そして壊さなければならなかった方法
(Oh oh oh oh)
(オーオーオーオー)
While the waves are crashing in but I don't ever drown
波が押し寄せてきても、僕は決して溺れない
And now I'm the only one
そして今、僕だけが
Tearing down my sand castle
砂の城を壊している
Sand castle yeah
砂の城、そう
【Outro】
(Sand castle)
(砂の城)
Yeah Through your fingers like the sand
そう、砂のように指の間をすり抜けていく
When you got too much on your hands
手に持ちすぎている時
(It's sometimes you let it wash away)
(時々、流し去ってしまうこともある)
歌詞意味解釈
「Sand Castle」というタイトルの象徴性
「Sand Castle(砂の城)」は、海辺で子供が作る儚い建造物である。波が来れば簡単に崩れ、形を失う。しかしこの歌では、砂の城は「自分自身の中にある既成概念」や「過去の自分で築いた壁」の比喩として使われている。自分で築き上げたものだからこそ、自分で壊すしかない。そして壊すことで、本当の自分が現れるという逆説的な構造を持っている。砂の城は脆いが、同時に柔軟でもある。固いコンクリートの城ではなく砂の城であることは、変化を受け入れ、再構築できる柔軟性を示唆している。
「鏡の中の自分」——自己対話と自己肯定の葛藤
「Who's that looking in the mirror / Is there someone he should become?」という問いは、自己同一性の危機を表現している。鏡に映るのは今の自分だが、同時に「なるべき自分」という理想像も重なって見える。INIのメンバーが5年間のアイドル活動の中で、ファンや業界の期待に応えようと「なるべき自分」を演じてきたことと重ね合わせると、この問いは非常に重い。しかし「Told me I couldn't love you / Maybe it's time that I try to」では、誰かから「愛してはいけない」と言われた相手——あるいは自分自身——への愛を、今こそ試す時だと決意する。
「SOSを叫んで、自分で救う」——依存から自立への軌跡
「Calling out SOS / Thinking there's no one else / That's when I save myself」というフローは、他者への救いを求めながら、最終的には自分自身で救うというプロセスを描いている。SOSを発信するのは、まだ他者への依存心がある証拠だが、「That's when I save myself」という転換は、他者が来なくても自分で立ち上がる覚悟を示す。これはINIが5年間で培った「MINI(ファン)との絆」と同時に、個人としての自立の両立を表現しているとも読める。ファンに支えられてきたからこそ、今度は自分の力で前に進むという決意表明である。
「壁を築いたのも、壊すのも自分」——自己責任と自己変革
「I'm the one that built the wall / And the one to break it down」は、自己変革の主体性を明確にしている。自分の中の障壁は、誰かが作ったものではなく、自分自身が作ったものだから、自分で壊せる。これは被害者意識ではなく、自己責任に基づいた成長の姿勢である。「Me myself and that's a lot」は、自分一人で全てを背負うことの重さを認めつつも、それを受け入れている。「All the pages of me」は、過去の自分のすべてのページ——失敗も成功も——を大切に憶えているという意味であり、自己否定ではなく自己統合を目指している。
「時間は傷を癒すが、傷跡は残る」——トラウマと成長の辯証法
「Time can heal all of your wounds but it don't mean that / It ain't gon leave you a scar」は、単純なポジティブ思考を否定している。時間が癒すのは事実だが、傷跡は消えない。しかし「Carry that shit take it with you and / Let it show you who you are」では、その傷跡を持ち歩き、それが自分の本質を示すものとして受け入れる。これは「What doesn't kill you makes you stronger」という一般的な言葉を、さらに深化させた表現である。「But remember who would wonder / If you'd make it out at all」は、自分が生き延びられるかどうかを心配した人々——ファンや家族——への感謝と、彼らの期待に応えたいという気持ちを含んでいる。
「隠していた自分に光を当てる」——自己受容と再発見
Bridge部分の「I'll shine a light on who I tried to hide」は、これまで隠してきた自分の一面——弱さや不完全さ——を認め、光を当てるという自己受容のプロセスを表している。「Give him the answers that I couldn't find」は、過去の自分に今の自分が答えを与えるという、時間を超えた自己対話である。「Now you're mine to rediscover / Let you stand a little taller」は、再発見した自分をもっと堂々と立たせてあげるという、自己への優しさと確信を示している。「Feel like I'm winning when I'm looking behind」は、過去を振り返ることで勝利感を得るという、成長した証の表現である。
「砂のように指の間をすり抜ける」——手放すことの美学
Outroの「Through your fingers like the sand / When you got too much on your hands」は、握りしめすぎると砂はこぼれ落ちるという、手放すことの重要性を示唆している。「It's sometimes you let it wash away」は、時には流されてしまうこともある、それも受け入れようという境地を表現している。これは5年間の活動の中で、手放さなければならなかったもの——プライド、固定観念、過去の自分——への鎮魂の言葉とも読める。
まとめ
「Sand Castle」は、INIのデビュー5周年を記念してリリースされた、自己変革と成長をテーマにした全編英語詞の楽曲である。砂の城という儚くも美しい比喩を通じて、自分で築いた壁を自分で壊すという自己対峙のプロセスを描いている。SOSを叫びながらも最終的には自分自身を救うという歌詞は、他者への依存から自立への成熟を示唆し、「時間は傷を癒すが傷跡は残る」という表現は、単純な前向きさではなく、トラウマと共に生きる現実を直視している。INIのメンバーが5年間のアイドル活動の中で経験してきた、期待とプレッシャー、自己同一性の葛藤、ファンとの絆——これらすべてが、この一曲に凝縮されている。エンポリオ・アルマーニとのコラボレーションという新たな挑戦の中で、INIは「ORIGINS(起源)」に立ち返り、同時に新たな自分への出発を告げている。これは、INIの次の5年への決意表明であり、自己愛と自己変革の讃歌である。