Red VelvetのリーダーIRENE(アイリーン)が贈る「Don't Wanna Get Up」。タイトルが示す通り「起き上がりたくない」という意味を持つ楽曲ですが、単なる怠惰や眠気ではなく、超越的な恍惚状態の中で現実に戻りたくない——そんな深い感情を描いた作品です。幻想的なサウンドスケープとIRENEの魅力的なボーカルが織りなす、意識の彼方への旅を体現した一曲です。
楽曲情報
- 曲名:Don't Wanna Get Up(ドント・ワナ・ゲット・アップ)
- アーティスト:IRENE(アイリーン)
- 所属グループ:Red Velvet
- リリース:2026年3月
- 言語:韓国語・英語
- スタイル:R&B、エレクトロニック、ドリームポップ
- テーマ:超越、恍惚、逃避、内面の解放

歌曲紹介
「Don't Wanna Get Up」は、IRENEの新たな音楽的側面を開花させた実験的なR&B/エレクトロニックナンバーです。曲名の「起き上がりたくない」という表現は、文字通りの眠気ではなく、現実世界から離れ、内面の幻想世界に留まりたいという願望を象徴しています。
楽曲は重層的なサウンドレイヤーとドリーミーな雰囲気が特徴で、聴く者を意識の深層へと誘います。エレクトロニックな要素とR&Bのグルーブ感が融合し、まるで夢と現実の境界を漂うような浮遊感を生み出しています。
歌詞には「초월(超越)」「heaven」「의식 너머(意識の彼方)」など、現実を超えた領域を示唆する言葉が多数登場し、IRENEの表現力豊かなボーカルが、聴く者を未知の音楽世界へと導きます。
歌詞
[Verse 1]
왈칵 파고드는 빛 걷혀 한 폭 어둠이
(どっと差し込む光が引き、一幅の闇が)
몽롱한 틈 사이로 나를 감싸안은 hope
(朦朧とした隙間から私を包み込むhope)
I don't wanna get up
I don't wanna get up
초월의 환상 속에 문득 떨어진 듯해
(超越の幻想の中にふと落ちたようで)
내몰리던 마음의 끝 너머 찾아낸 heaven
(追い詰められていた心の果ての向こうに見つけたheaven)
I don't wanna get up, oh
I don't wanna get up
[Pre-Chorus]
Let's keep falling forever (Falling)
나를 넘어선 feeling 이대로 (Feeling)
(私を超えたfeelingこのまま)
Nothing feels better (Nothing)
의식 너머로 falling forever (Falling)
(意識の彼方へfalling forever)
[Chorus]
I don't wanna get up (놓아 나를 가두던 pains)
(放して、私を閉じ込めていたpains)
I don't wanna get u-u-up
I don't wanna get up (순간 모든 한계는 fade)
(瞬間、すべての限界はfade)
I don't wanna get u-u-up
[Verse 2]
어떤 혼돈 속에도 미동 하나 없는 soul
(どんな混沌の中でも微動だにしないsoul)
현실과 유리된 풍경 날 돋보여
(現実と隔絶された風景が私を際立たせる)
I don't wanna get up, oh
I don't wanna get up
음미해 다 이룬 기분
(味わう、すべて叶えた気分)
너무나 황홀한 déjà vu
(あまりにも恍惚としたdéjà vu)
So unforgettable, 막이 오르는
(忘れられない、幕が上がる)
나만의 아늑한 축제는 so freakin' incredible
(私だけの居心地の良い祝祭はso freakin' incredible)
[Pre-Chorus]
Let's keep falling forever (Falling)
나를 넘어선 feeling 이대로 (Feeling)
Nothing feels better (Nothing)
의식 너머로 falling forever (Falling)
[Chorus]
I don't wanna get up (놓아 나를 가두던 pains)
I don't wanna get u-u-up
I don't wanna get up (순간 모든 한계는 fade)
I don't wanna get u-u-up
[Bridge]
Ooh, ooh
I can feel something incredible
Ooh, ooh
[Pre-Chorus]
Let's keep falling forever (Falling)
나를 넘어선 feeling 이대로 (Feeling)
Nothing feels better (Nothing)
의식 너머로 falling forever (Falling)
[Outro]
I don't need nothing at all (안겨 이 순간에 like this)
(委ねるこの瞬間にlike this)
I don't wanna get u-u-up
I don't need nothing at all (초월 끝에 내게 온 rest)
(超越の果てに私に来たrest)
I don't wanna get u-u-up
歌詞意味解釈
【Verse 1】光と闇の境界で
「왈칵 파고드는 빛 걷혀 한 폭 어둠이(どっと差し込む光が引き、一幅の闇が)」という印象的な開幕は、現実世界の光が遮られ、闇の中へ誘われる様子を描いています。これは目覚めから逃れ、意識の奥深くへ潜っていくことを象徴しています。
「몽롱한 틈 사이로 나를 감싸안은 hope(朦朧とした隙間から私を包み込むhope)」では、現実と非現実の曖昧な境界線——「モーニング・グロー」のような半覚醒状態——から湧き上がる希望や安らぎが描かれています。「초월의 환상 속에 문득 떨어진 듯해(超越の幻想の中にふと落ちたようで)」という表現は、現実の枠を超えた幻想世界に意識が滑り落ちていく感覚を表現しています。
「내몰리던 마음의 끝 너머(追い詰められていた心の果ての向こうに)」というフレーズは、日常のプレッシャーや追い詰められる感情の先に、見つけ出した「heaven」——安らぎの領域——の存在を示唆しています。
【Pre-Chorus】永遠の落下へ
「Let's keep falling forever」は、下降=否定的なものではなく、意識の深層へと委ねる肯定的な落下を意味しています。「나를 넘어선 feeling 이대로(私を超えたfeelingこのまま)」は、自我や自我意識を超えた感覚、つまり「自己を忘れる」恍惚状態を指しています。
「Nothing feels better」は、この状態以上の幸福や充足は存在しないという絶対的な肯定です。「의식 너머로(意識の彼方へ)」という表現は、理性や論理を超えた領域——無意識や超意識の世界——への誘いを表しています。
【Chorus】解放の繰り返し
「I don't wanna get up」というフレーズが繰り返されることで、現実への回帰を拒否する強い意志が強調されます。「놓아 나를 가두던 pains(放して、私を閉じ込めていたpains)」では、心を縛っていた苦痛やトラウマからの解放を願っています。
「순간 모든 한계는 fade(瞬間、すべての限界はfade)」は、この恍惚状態の中では、現実世界の制約や限界、社会的な枠組みが溶けていく感覚を表現しています。「u-u-up」という伸ばされた発音は、現実に引き戻されることへの抵抗を音として表現しています。
【Verse 2】混沌の中の静寂と祝祭
「어떤 혼돈 속에도 미동 하나 없는 soul(どんな混沌の中でも微動だにしないsoul)」は、外側の混乱に惑わされない、内なる核の安定性を描いています。「현실과 유리된 풍경(現実と隔絶された風景)」は、非日常的空間でこそ真の自分が輝くという逆説を示唆しています。
「음미해 다 이룬 기분(味わう、すべて叶えた気分)」は、現実では未だ達成していない願望であっても、この幻想の中では全てが成就している充足感を表現しています。「너무나 황홀한 déjà vu(あまりにも恍惚としたdéjà vu)」は、初めての体験でありながら、どこか懐かしく、魂が本来知っている場所に帰還したような感覚を描いています。
「나만의 아늑한 축제は so freakin' incredible(私だけの居心地の良い祝祭はso freakin' incredible)」は、この内面世界が公共のものではなく、完全に個人的で親密な「祝祭」であることを強調しています。
【Bridge】不可思議な感覚の肯定
「I can feel something incredible」というシンプルなフレーズは、言語を超えた感覚的な体験——言葉では言い表せない何かを感じている——ことを示唆しています。「Ooh, ooh」という掛け声は、言語化不可能な感情を声に出したものであり、音楽そのものが意味を伝えている瞬間でもあります。
【Outro】完全なる委身
「I don't need nothing at all」という二重否定は、実は何も必要としていない——全てが満たされている——という充足状態を表現しています。「안겨 이 순간에 like this(委ねるこの瞬間にlike this)」は、自己のコントロールを手放し、瞬間に身を委ねることを肯定しています。
「초월 끝에 내게 온 rest(超越の果てに私に来たrest)」という最後のフレーズは、超越の旅の果てに見つけた安らぎ——それがこの楽曲が目指す最終地点です。現実に「get up」する必要がない、そこにこそ真の休息がある。
まとめ
「Don't Wanna Get Up」は、IRENEの音楽的な深みと実験性を示す作品です。単なる「怠惰」をテーマにした曲ではなく、現実世界の制約から解放され、内面の幻想世界——あるいは創造的な無意識の領域——に留まることの価値を肯定しています。
「超越」「意識の彼方」「heaven」などのキーワードが示すように、この楽曲は音楽体験そのものを意識変容のメタファーとして描いています。IRENEのボーカルは、現実世界のIRENEから「超越した」IRENE——より自由で、制約から解放された存在——として響きます。
「Falling」が通常の「落下」ではなく、解放への肯定的な動きとして描かれていること、「get up(起き上がる/現実に戻る)」を拒否することがむしろ「rest(休息)」につながるという逆説——これらが現代社会における「生産性」や「常時接続」への静かな問いかけとも読むことができます。
IRENEの表現力豊かなボーカルと、層になったエレクトロニック・サウンドスケープが融合した「Don't Wanna Get Up」は、聴く者を現実の枠を超えた音楽体験へと誘う、印象深い一曲となっています。